自分にあった体調管理法を身につけよう~アスリートに学ぶコンディショニング~

受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~
自分にあった体調管理法を身につけよう ~アスリートに学ぶコンディショニング~


約2週間に渡るオリンピックが閉幕し、次はパラリンピックが始まろうとしています。

賛否両論ある開催ではありますが、やはりアスリートが持てる力を最大限に発揮し、結果を出す姿に胸を打たれた方も多いのではないでしょうか。


さて、この「持てる力を最大限に発揮し、結果を出す」。


何かに似ていませんか?


そう!受験です!!!!!


私は普段、アスリートがより良い結果を出すためのトレーニングや食事指導、いわゆる「コンディショニング(体調管理)」を任せられることが多いのですが、今回はアスリートに実践している内容を受験生の皆さん向けにアレンジしてお伝えしようと思います。

目標達成のためにすべきこと

まずはこちらの図をご覧ください。
アスリート向けに栄養セミナーをする際に必ずご説明しています。

この図を見るとわかるように、目標を達成するために最も時間と労力を割かなければならないのが「体調管理」、いわゆるコンディショニングです。
コンディションをしっかりと整えられているからこそ、厳しくも質の高い練習に取り組むことができ、自身の限界点を突破し、新たな境地に達すること(目標達成)ができるのです。



受験生向けに改訂した図がこちらです。

土台の2つはアスリートと変わらず「ケガや病気がない・体調がよい」=「体調が良いこと」「強いカラダ」=「体調を崩しにくいこと」がとても大切で、その上に質の高い「勉強」、そして受験までの「作戦」(スケジューリングや試験の時間配分など)がうまく連動して目標達成に繋がるわけです。

コンディショニング(体調管理)の3つの要素

コンディショニングを上手に実践するためには3つの要素をバランスよく保つことが大切です。
この図も栄養セミナーを実施する際に必ずご説明しています。


「運動」「食事」「休養」をバランスよく、実践するのは、プロでもなかなか難しいものです。
特に、「運動」や「食事」は努力できても、「休養」休むことをないがしろにするアスリートが多く、結果的にケガや心の疲労に繋がってしまいます



受験生バージョンに改訂したものを見てみましょう。

勉強

各々の学習法があり、私の専門外なのでここでは割愛します。

食事

これまでのコラムでお伝えした通り「主食」「主菜」「副菜」の3つのカテゴリをそろえること配分をそれぞれ「3:1:2」にすること欠食しないこと(※特に朝食)、適量を食べること(量の過不足は体重や体型の変化で確認)を守っておけばOKです。

甘いものは食べてもいいですが、食べた分のカロリーは食事から差し引くか、運動で消費するように調整しましょう。

※3つのカテゴリ(主食・主菜・副菜)など過去のコラムをご参照ください→どれぐらい食べたらいいの?『塾に持参するお弁当編』

休養

長い時間、机に向かっていると全身がこわばってきますよね。


これを放っておくと寝つきが悪くなったり肩こりや首の痛み(ストレートネック)の原因になったり、呼吸が浅くなることで自律神経が乱れて体調不良を招きます。

1~2時間に1回は休憩をはさみ、深呼吸やストレッチを取り入れてみましょう。

オススメの呼吸方法

リラックスしたいとき《腹式呼吸》


楽な姿勢で(イス、地面、立位どれでもOK)、鼻から息を吸い(お腹がふくらむ)口から息を吐く(お腹がへこむ)。
4カウントずつ、3回を目安に。

活動的になりたいとき《胸式呼吸》


楽な姿勢で(イス、地面、立位どれでもOK)、鼻から息を吸い(肺をふくらまし、お腹をへこます)、口から吐く(お腹はへこんだまま)。
肋骨に手を当てると、肺のふくらむ感覚がつかみやすいです。
こちらも4カウントずつ、3回を目安に。

オススメのストレッチ

胸を広げるストレッチ


息を吸いながらに胸と両手を広げて体の全面を伸ばし、息を吐きながら背中を丸めて首から腰にかけてストレッチする。
4カウントずつ、3回を目安に。

首のストレッチ


左:鎖骨の下に両手を当てて、当てた手を下に引っ張りながらゆっくりと上を向く。15~20秒程度。
中:左の鎖骨下に手を当てて、ゆっくりとななめ上を向く。15~20秒程度。
右:左の鎖骨下に手を当てて、ゆっくりと顔を右上に回旋させる。15~20秒程度。

反対も同様に行う。




いかがでしたか?


『食事』『休養』のコンディショニングをしっかりとおこなって、質の高い『勉強』に取り組めるよう、無理なく出来ることから取り入れてみましょう。


次回のテーマは「ダイエットと健康障害」

更新は9/22(水)を予定しています。

食欲の秋にピッタリなテーマ!
無理なダイエットは健康障害を引き起こします。
どうぞお楽しみに!

受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~バックナンバーリンク

☆食中毒にご注意『暑い日のお弁当づくり』

☆どれぐらい食べたらいいの?『塾に持参するお弁当編』

☆一日の始まりは朝ごはんにあり ~朝食で体内時計をリセット~



text by後藤優子/Yuko Goto
プロフィール:スポーツ栄養士×アスレティックトレーナー。ジュニアからトップアスリートの食事サポート、調理イベント、子どもの食育セミナーなどを行う。東京を中心に活動中。アイドルとカレーが好き。



後藤優子さんのコラム⇒「食×スポーツ(人生を豊かに。マルゴトキカク。」