どれぐらい食べたらいいの?~塾に持参するお弁当編~

受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~
どれぐらい食べたらいいの?~塾に持参するお弁当編~


「毎日の食事づくり、そして献立を考えるのも面倒だなぁ。」

「できることなら誰かが作ってくれたごはんを食べたい…。」

安心してください。
栄養士の心の声もこんな感じです。

考えるのも作るのも面倒だからといって本当に適当にしてしまうと、健康をおびやかすことになってしまいます。それがわかっているからこそ、このコラムを読んでくださっている皆さんも日々頭を悩ませているのではないでしょうか。

健康を意識した食事づくりを少しでも楽にするためには、「型」にはめるのがおすすめです。

この「型」は、①カテゴリ、②配分、③量の3つのポイントを押さえておけば十分。

今回は、塾に持っていくお弁当を使ってお話しを進めていきたいと思います。

①カテゴリについて

ここでいうカテゴリとは「主食」・「主菜」・「副菜」のこと
まずはこの3種類を作る(そろえる)ことから始めてみましょう。

「主食」は、「ごはん・パン・麺類など」があり、活動する際のエネルギー源、脳のエネルギー源になる糖質(炭水化物)の供給源です。

「主菜」は、「肉類(加工品含む)・魚介類・卵・大豆・大豆製品など」があり、筋肉や骨・成長ホルモンなどの材料となるたんぱく質の供給源で、成長期のお子さまにとって特に重要な栄養素となります。

「副菜」は、「野菜・いも類・海藻・きのこなど」があり、感染症予防や便通改善など、体調を整えるのに役立つビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源となっています。

②配分について

「主食・主菜・副菜」の適切な配分は「3:1:2」

弁当箱で例えると、弁当箱の半分は主食(ごはん)、残り1/3が主菜(桜エビ入り卵焼き)、2/3が副菜(レタス、プチトマト)のように詰めると「バランスのいい食事」になるわけです。

ここでは出てきませんが、果物や乳製品が入っていても全く問題ありません。ただし、主食・主菜・副菜の配分が崩れないようにしましょう。

③量について

お子さんの「体の大きさ」や「活動量」によって異なる摂取量。

食事バランスガイド(厚生労働省、農林水産省)を参考にしているので、詳しく知りたい方はホームページをご覧になってみてください。

注:食事バランスガイド一部改変。

農林水産省のサイトはこちら


おおまかに言うと1食あたり500~1000kcalになるわけですが、実は弁当箱の容量とカロリーはほぼ一致すると言われています。なので、裏面に記載されている容量を確認して、摂取量に過不足がないかどうかを見直してみてください

ただし、この理論が通用するのは隙間なくきっちり詰めた場合に限りますのでご注意を。

下記の写真の弁当箱の容量は540mlで、ごはんを約200g詰めています。これだけで約350kcalあります。

現在使っている弁当箱の容量が少ないから買いなおさなきゃ!といって焦ることはありません。弁当箱におかず(主菜、副菜)を詰めて、あとはおにぎりを別にすればよいだけ。今あるもので工夫してみましょう。

ここからは応用編です

塾に持参するお弁当の量は「1食分」でいいのか?という疑問がわいた方もいらっしゃると思います。

こちらは人それぞれマッチした方法を選んでいただくのがベストです。

例えば、
帰宅後にも食べたいというのであれば軽めに(1/2~2/3量)。
帰宅後はすぐに入浴→就寝したいというのであれば全量詰める。

このように様々な方法を試して、最適な食べ方を探ってみてください。

これからの時期に気をつけたいのが食中毒です

弁当箱に詰める前にしっかりと冷ましておくこと水気を切っておくこと詰める際は素手で行わないことが大切です。

また、最近では低価格で購入できる「抗菌シート」で菌の繁殖を抑えることもできますので、活用してみてください。

次回のテーマは「食中毒」です

さらに掘り下げてお伝えしていこうと思います。次回の更新は6/18(金)を予定しています。お楽しみに!



text by後藤優子/Yuko Goto
プロフィール:スポーツ栄養士×アスレティックトレーナー。ジュニアからトップアスリートの食事サポート、調理イベント、子どもの食育セミナーなどを行う。東京を中心に活動中。アイドルとカレーが好き。



後藤優子さんのコラム⇒「食×スポーツ(人生を豊かに。マルゴトキカク。」