暑さに負けない夏のはじめの過ごし方〜朝活とうなぎのすすめ
第16回:暑さに負けない夏のはじめの過ごし方〜朝活とうなぎのすすめ
6月を過ぎた頃から、急に夏がやってきたような猛暑が続いています。
親子ともに体調を崩していませんか?
なんとなくだるい、調子がでない、早くも夏バテかも……
と感じている人も多いのではないでしょうか。
受験生にとって正念場の夏。
いったん体調を大きく崩してしまうと、遅れを取り戻すのもたいへんです。
不調を慢性化させないよう、
まだ暑さに体が慣れていない時期に意識したいことを考えてみましょう。
まずは1日の過ごし方。
受験勉強を頑張るのはよいですが、昼夜逆転になっていないでしょうか。
人間は、いえ動物はみな、日が沈んだら寝て、日が昇ったら起きるようにできています。
このリズムが乱れると、体の機能を調整する自律神経の働きが乱れ、
体調を崩す原因にもつながります。
自分は夜型だから、夜勉強するほうがはかどるんだ、という人もいるでしょう。
ただそれも、もしかすると習慣がそう思わせているのかもしれません。
自律神経を研究するドクターに話をきいたところ、
夜、特に入浴後は、休息やリラックスを促す副交感神経が優位に働くので、
記憶をする活動にはあまり向いていないといいます。
一方、朝はカーテンをあけ、日の光を浴び、朝食を食べることで、
活動や緊張を促す交感神経が刺激を受け、
さまざまな作業が効率的になると話してくれました。
そこでおすすめなのが“朝活”です。
社会人が出勤前に行う活動として以前から注目されていますが
受験勉強の“朝活”も、効率よく理解や記憶をする作業に向いています。
夏は日の出も早くなりますから、登校前の明るい時間も長くなります。
夜はいったん寝て、朝早く起きて勉強する生活に切り替えてみませんか。
そうすることで日中の集中力もアップし、
学校の授業や模試などにもよい効果がみられるかもしれません。
また、暑さが厳しくなり、通学途中で汗をかくことも多いと思います。
その一方で、1日冷房の効いた中で勉強をすることで、体がこわばることも。
この温度差の中で1日を過ごした体は、いつにも増して疲れているはずです。
だからこそ、夜は、入浴で疲れた体をリセットして早めに就寝する。
朝は、日の出とともに起きて活動を始める。
そんな習慣改善が、夏の初めの今、とても有効になります。
早朝から起きて勉強することを“朝活”と言い換えれば、
ちょっとデキる受験生!という気になりませんか?
毎日勉強で自分を追い込むだけでなく、
言葉の選び方でも気持ちを盛り上げていきましょう。
そして、もうひとつ夏バテ対策としてこの時期注目したいのが、
スタミナがつくといわれる“うなぎ”。
土用の丑の日だから、うなぎを食べよう!
そんなキャッチフレーズを見かけることはありませんか?
スーパーやデパ地下でも土用の数日前からうなぎのコーナーが設けられており、
つい、おいしそうな香りに自分も食べたい!と思ってしまいますよね。
土用の丑の日は各季節の変わり目に設けられる期間で、
夏だけではなく、実は一年を通して複数回あります。
その中で、どうして夏の土用の丑の日がクローズアップされるようになったかというと、
それは江戸時代の蘭学者であり、医者、発明家などとしても多方面に活躍した
平賀源内によるものなのだそう。
秋から冬のものが、脂がのって旬だとされる天然うなぎ。
「夏の時期はうなぎが売れなくて」と、困ったうなぎ屋が源内に相談したところ、
「土用の丑の日はうなぎの日」と宣伝したらどうかとアドバイスされ、
店先に告知の札(今でいう広告ポスター)を貼ったのが始まりとされています。
古来、丑の日に「う」のつく食べ物を食べると縁起がよいとされ、
無病息災を願う風習もあったのだとか。
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣も、この風習と源内による宣伝が相まって、
縁起ものとして庶民にまで広がったといわれています。
実際、うなぎは高タンパクで栄養価が高く、ビタミンA・ビタミンE、DHA・EPAなど
免疫力アップや疲労回復などさまざまな健康効果が期待できる食べ物。
夏の暑さで消耗しやすい体力を回復させ、夏バテを防ぐ食べ物としても人気があります。
2025年夏の土用の丑の日は7月19日と7月31日の2回。
この日に合わせて、夏バテ防止、そして無病息災の縁起かつぎに、
親子でうなぎ、いかがですか。
プロフィール
文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。図書館司書の資格を持つ。