夏の水分補給と、体調維持を意識したドリンク選びについて
第18回:夏の水分補給と、体調維持を意識したドリンク選びについて
猛暑真っ盛り。
夏休み中は夏バテや熱中症などの体調管理にも気をつけたいところです。
特に暑い時期は一度体調を崩してしまうと、
体力や免疫力が落ち、なかなかもとに戻りにくくなります。
体調不良で計画通りに勉強が進まず、焦りが大きくなり、
夜更かしをして、また体調を崩す……などといった悪循環にも陥りがちです。
夏の大事な時期を有意義に過ごすために、
まずは、体力を消耗しない水分のとり方やドリンクの選び方を心がけていきましょう。
では、どんなタイミングで水分を取っていけばよいのか。
勉強などに集中していると、水分を取るのを忘れがちになり、
そういえば朝から何も飲んでいなかった……、なんてことはありませんか?
気付かぬうちに脱水に近い状態になっていたなどということがないよう、
のどが渇いてからでなく、渇く前に水分を取るのが肝心です。
ニュース番組のお天気コーナーでは、天気予報とともにその日気温が伝えられますが、
夏のこの時期は
「こまめに水分を取って過ごしましょう」
などというフレーズもよく耳にします。
夏場は汗によって、自覚以上にどんどん体の水分が奪われていきます。
気づいたらのどがカラカラ……、少しフラッとするかも……と感じてからでは遅いのです。
あわてて必要量以上飲んでも、体は一度に水分を吸収しきれませんから
“こまめに”水分を取ることが、いつも以上に大事になります。
例えば、勉強の区切りの1時間ごとに飲水タイムをとる!などとおおまかに決めておき、
そのたびにコップ1杯分(200ml)程度の水分を取るのもおすすめ。
家を出る前に1杯分、塾に着いたら1杯分、授業と授業の間に1杯分など
のどが渇いたと感じる前に意識的に水分を取るように習慣づけておきましょう。
次に何を飲んだらよいのかについても考えてみましょう。
個人の好みやアレルギーなども考慮に入れると、
絶対にこれでなくてはいけない!とはいえませんが、
意識したいのは、
●冷たいものばかりを飲みすぎない
●カフェインをとりすぎない
ということ。
暑い夏はキンキンに冷えた水やお茶、炭酸飲料などは喉ごしもよく、
おいしさもひとしお。
しかし、冷たいものの飲み過ぎには注意が必要。
胃腸を冷やし過ぎると、消化吸収が悪くなり、食欲不振、
体の冷えやむくみといった、夏バテにつながる可能性がありますから、
ときには常温や温かい飲み物にかえてみるのもおすすめです。
どうしても冷たいものを飲みたい場合は、一気に飲み干さず、
胃腸に刺激を与えすぎないよう、少しずつ飲んでいきましょう。
また、夜の勉強のお供に、
眠くならないようにコーヒーを飲んでいるという人もいるかもしれません。
その効果の通り、コーヒーに含まれるカフェインは
覚醒作用を有するため、個人差もありますが良質な睡眠に影響があるとされています。
夕方以降のカフェインのとりすぎは控えたほうがよいでしょう。
カフェインはコーヒーだけでなく、紅茶や緑茶、ウーロン茶などにも含まれています。
また、最近種類が増えてきたエナジードリンクなどの清涼飲料水には
コーヒーの数倍のカフェインを含むものもあるので注意が必要。
これまでにも何度か触れてきましたが、
受験生にとって良質な睡眠はとても大事なものです。
特に子どもは大人よりもカフェインの影響が大きいといわれているため、
摂取量が多くならないよう、親のほうでも気を配っていきましょう。
*参考:健康づくりのための睡眠ガイド2023・食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A〜カフェインの過剰摂取に注意しましょう〜/厚生労働省
最近は、ノンカフェイン、デカフェ、カフェインレスなどといった
カフェインがカットされたコーヒーや紅茶を見かけるようになりました。
夜の勉強にはやはりコーヒーが欠かせない、ということであるなら、
カフェインのカットされたタイプを選ぶのもよいかもしれません。
また、麦茶やルイボスティー、そば茶や黒豆茶などにもカフェインは含まれていませんし、
ハーブティーなどにもノンカフェインのものはいろいろあります。
いつも飲んでいるコーヒーを、ときどきこういったお茶に
かえてみるのもよいかもしれません。
いつも以上にこまめな水分補給が必要な時期。
毎日の飲み物とのつき合い方をほんの少しかえてみるだけで、
大事な夏の健康維持につながっていきます。
小さなことから試してみましょう。
プロフィール
文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。図書館司書の資格を持つ。