受験前日と当日の過ごし方~食事だけでなく、総合力で実力を発揮しよう!~

受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~
受験前日と当日の過ごし方~食事だけでなく、総合力で実力を発揮しよう!~


気が付けばもう年の瀬。いよいよ本格的な受験シーズンに突入です。


受験当日に向けて、自分にしっくりくる生活スタイルや食事方法を確立させておきたいところ。

私が普段サポートしているアスリートたちも、大事な試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、本番を想定して様々な食事を試しながら最善の方法を探っています。
ぶっつけ本番では何が起こるかわからないので、現在のスタイルを大きく変えない程度にこれから紹介する方法を試して本番に備えてみてください。

【 前日まで 】

とにかく体調を崩さないようにすることが重要です。
そのために抑えておきたいポイントは、

1.規則正しい生活リズム

2.睡眠をしっかりととる

3.バランスのとれた食事

4.適度な運動

1.規則正しい生活リズム

就寝時間、起床時間は一定の時間にするのがベスト

受験当日の1日のスケジュールがすでにわかっているようであれば、その時間の流れに沿って睡眠、起床、食事を実施してみてください。

集中して脳をフル回転させていると、体内にストックされている糖質が減少することで頭がぼんやりしたり、空腹を感じて集中力が散漫になります。
それを避けるためにもさっと食べられる補食を準備しておきたいですね。

忘れがちなのが排便
試験の途中でお腹が痛くなるのは避けたいので、できるだけ自宅ですっきりと出してから会場へ向かえたら、それだけでひとつ不安要素が解消されますよね。

便意を感じなくても朝食後にトイレに座る習慣をつけておくと、排便リズムが生まれやすくなります。
このとき、前傾姿勢でかかとを浮かせ、上半身をリラックスさせておくと便が出やすくなります。

2.睡眠をしっかりとる

成長期の皆さんに必要な睡眠時間は9~11時間と言われています。

睡眠は記憶の整理だけでなく、疲労の回復や体の成長にとても重要です。
睡眠は長さだけでなく、質にもこだわりたいところ。

睡眠の質を向上するには「満腹まで食べない」「カフェインを含むドリンクを飲まない」「リラックス状態を作る」ことが大切です。
食べ物を消化するにもエネルギーが必要なので、食べすぎや早食いは疲れが取れない原因にもなります。

眠気覚ましにコーヒーや栄養ドリンクを飲むことがあるかもしれませんが、夜は眠たくなるものです
無理に遅くまで起きておくのではなく、夜は早めの就寝を心がけ、午前中からエネルギッシュに活動できるように生活をシフトさせましょう。

1日の終わりには、ぬるめのお湯につかる、ゆったりとした音楽を聞く、ストレッチをする、温かい飲み物を飲む、寝る直前にはスマホを見ないなどの方法でリラックス状態を作って、スムーズに入眠できるようにしたいですね。


3.バランスのとれた食事

こちらのコラムでは何度も出てきていますね。 (コラム「どれぐらい食べたらいいの?」参照)

基本的には、主食(ごはん、パン、麺類)・主菜(肉、魚、卵など)・副菜(野菜、海藻、きのこ類)を毎食そろえること、それぞれ主食3:主菜1:副菜2の割合にすることで、様々な栄養素がまんべんなく摂取できます。
特に脳のエネルギー源となる糖質(主食に含まれる)は必ず摂っておきたいですね。


4.適度な運動

運動と学習については2つ前のコラムでも書きましたが(コラム「記憶力向上のコツ」参照)、ずっと同じ姿勢で座り続けることで血流が滞ると、集中力が低下して学習効率が下がってしまいます。

起床後に散歩をしたり、1時間に1回はトイレに立つなど、軽い運動を取り入れてみましょう。


【 当日の朝 】

当日の朝はベストコンディションでいたいですよね。

そのために必要な食べ方や栄養素についていくつかポイントがあるので、必要なもの、自分自身に合っていそうなものを選んで実践してみましょう。

1.胃腸をベストな状態にする

胃もたれ、胸やけ、ガスがたまる、腹痛、便秘、下痢など、緊張や不安により胃腸の働きが落ちることで様々な症状が出やすいのが受験当日。

これらを予防するには、

①油っこいもの(揚げ物、中華、ルウを使った料理)を食べない

②食物繊維をとりすぎない(野菜、きのこ、海藻はいつも通りの量)

③冷たいものを一気飲みしない

④ゆっくりよく噛んで食べる

⑤刺激物(辛いもの)を避ける、

⑥腹痛を起こした経験のある食べ物は避けるようにしましょう。


2.腹持ちのいい糖質を選ぶ

脳のエネルギー源になる糖質は必ず食べておきたいのですが、糖質を含む食品には長時間体内に滞在するものと、すばやく吸収されてあっという間に使われてしまうものがあります。

菓子パンやケーキ、ジュースに含まれる砂糖は、すばやく吸収されて血糖値が上昇した後に、急激に血糖値が低下する『低血糖』で体調を崩す可能性が高くなるので、当日の朝は控えましょう

おすすめなのは、ごはん(玄米や雑穀米)、赤飯、そば、フランスパン、全粒粉パン、オートミール、いも類です。

3.体温を上げる

受験当日はどうしても長時間座りっぱなしになるため、だんだんと体が冷えてきます。

体温を上げる秘訣はたんぱく質

朝ごはんには、卵料理や納豆、豆腐、魚など主菜を必ず取り入れて、ぽかぽか状態を維持しましょう。






今回ご紹介した方法は、全ての方に合うとは限りません


受験日までに時間的な余裕がある場合は、1ヶ月ほど前から様々な方法を試していただき、大きくスタイルを変えずにほんの少し取り入れてみたい場合は1週間ほど前から試してみましょう。





次回のテーマは「自己管理と家族のサポート」です。
更新は 来年 1/20(木)を予定しています。
どうぞお楽しみに!


受験生の食卓~心とからだをめぐる栄養コラム~バックナンバーリンク

☆食事とこころの関係~こころにも栄養を~

☆記憶力向上のコツ~勉強×運動、ときどき食事~

☆本当に必要?ダイエットを正しく知ろう!

☆自分にあった体調管理法を身につけよう~アスリートに学ぶコンディショニング~

☆一日の始まりは朝ごはんにあり ~朝食で体内時計をリセット~

☆食中毒にご注意『暑い日のお弁当づくり』

☆どれぐらい食べたらいいの?『塾に持参するお弁当編』



text by後藤優子/Yuko Goto
プロフィール:スポーツ栄養士×アスレティックトレーナー。ジュニアからトップアスリートの食事サポート、調理イベント、子どもの食育セミナーなどを行う。東京を中心に活動中。アイドルとカレーが好き。



後藤優子さんのコラム⇒「食×スポーツ(人生を豊かに。マルゴトキカク。」