夏休み明けの今、あらためて学習ルーティンを見直しましょう
第20回:夏休み明けの今、あらためて学習ルーティンを見直しましょう
以前、夏休み中の計画のたて方についてお話ししましたが、
計画通りに過ごすことができましたか?
目標は達成できたでしょうか。
計画通りにはいかなかった。
中途半端に終わってしまった気がして少し焦っている。
夏休みに頑張り過ぎて、燃え尽き症候群的な気分になっている。
など、みなさん、いろいろな思いを抱えていると思います。
しかし、受験勉強のゴールは夏休み明けではなく、
チャレンジは入試ぎりぎりまであるいは入試期間中まで続きます。
もう残りわずかしかないと諦めるか、切り替えてなんとか挽回したいと思うか。
それはもう自分次第。
これから半年弱の貴重な時間を有効に使うため、
今何ができるかを考えながら、日々の勉強のルーティンをあらためて見直してみましょう。
学校の授業が始まり、1日中自分のペースで学習することが難しくなります。
学校によっては、2学期は体育祭、文化祭などの行事も加わり、
受験勉強に費やす時間が減ってしまう……と焦りを感じるかもしれません。
ただこれから先、夏休みのような長期の授業の休みはありませんから、
学校に行きながらの勉強ペースをあらたに作っていくのが肝心です。
夏休み中に、朝方の勉強スタイルを作ることはできましたか?
できていたなら、ぜひその習慣は維持していきましょう。
これまで何度もお話ししてきましたが、朝方の勉強は頭がすっきりして効率がよく、
入試の時間帯に一番頭がさえた状態に持っていける大事なルーティンです。
学校に行く前にひと勉強していくことで、学校の授業も集中して取り組むことができ、
気持ちに余裕が生まれます。
不要な焦りや疲労感が減り、集中力も高まるはず。
そのようなメンタルが維持できれば、体育祭や文化祭の参加も気分転換になり、
学生時代のよい思い出にもなります。
もし、夏はつい夜型になってしまったという人も、
このタイミングで切り替えていけば入試までには朝方のペースができるはずなので、
ぜひ切り替えてみてください。
あと、もうひとつは、
学習の比率をインプットからアウトプットに重心を置くようにシフトするということ。
夏休み中の学習で多くの知識をインプットしてきたと思うので、
今度はその学習の成果を、志望校の過去問を解くことで確認していきましょう。
これまでの学習が今の時点で志望校受験にどの程度通用するのか、
足りない部分はどこなのかがわかれば、これからの学習の道筋も見えてきます。
現時点での点数に一喜一憂するのではなく、なぜ解けなかったのか、
なぜ間違えたのかの理由を考え、足りない部分は何かを見直し、そこを埋めていく。
これを繰り返すことで今までの学習が実を結び、定着させることにもつながっていきます。
もちろん模試などでも学習成果を確認できますが、
これからの模試は結果を学校や塾でも共有し、志望校を絞り込む重要な素材になります。
模試でもしっかり結果を出せるよう、
「過去問を解く→結果を分析する」といった日々のチェックポイントをクリアしていくのがおすすめです。
学校が始まり、まわりの皆が自分より勉強が進んでいるように感じたり、
自信を持っているように見えたりすることもあるかもしれません。
ちょっとしたことで友人に必要以上のライバル心が芽生えることもありがちです。
しかし、それは友人たちもきっと同じはず。
大事なのは自分自身との向き合い方&戦い方です。
不安な気持ちはひとりで抱え込まず、親や先生、友人とも共有してみましょう。
弱みを見せてはいけないなんてことはありません。
聞いてもらうだけでも気持ちがすっきりし、前向きに勉強に集中できることもありますから、
悩みや不安があれば、周囲の人の力も借りながら解消していきましょう。
親の方もそろそろ緊張が高まってくるころかと思いますが、
子どもの声に耳を傾けて、ともに受験に向き合う気持ちがあることを伝え、
安心させてあげられるとよいですね。
応援しています。
プロフィール
文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。図書館司書の資格を持つ。