夏休みの学習計画は、1週間単位で振り分けて
第17回:夏休みの学習計画は、1週間単位で振り分けて
いよいよ受験勉強の正念場の夏休みがやってきます。
自宅や図書館で勉強する、学校の補習授業に参加する、塾の夏期講習に申し込んだなど、
皆さん、勉強の予定はいろいろ考えていることと思います。
夏休みは、苦手科目を克服したり、得意ジャンルを伸ばしたりと
学校に通いながらでは時間の足りなかった分野を充実させる大きなチャンスの時期。
地域にもよりますが、
約6週間に渡る決して短くない期間をうまく使えるかどうかで、
入試までの道のりが順調なものになるか険しいものになるか、
左右するといっても過言ではありません。
気づいたら、やろうと思っていたことの半分もクリアできていなかった、
などということがないように、事前に計画を立てて夏休みに臨みましょう。
では、具体的にどんなふうに計画を立てたらいいのか。
おすすめなのは、
夏休み中に達成したい目標を決め、
それをクリアするために行う学習内容を6で割り、
一週間単位の具体的な行動に振り分ける方法です。
こうすることで、
約6週間の夏休みをどう使い、毎週どのくらいずつ勉強したらよいのかが見えてきます。
例えば
夏休み中にこの問題集を1冊終わらせる、ではなく、
夏休み中にこの問題集を1冊終わらせるために、
1週間に何ページから何ページまで進めるといった具合に、
短期間でクリアできる小さなゴールを決めて、
細かく達成感が得られるよう計画を立てていきます。
この達成感が、勉強を続けるモチベーションにもつながりますので、
集中力が続かないと悩む人にはとくにおすすめです。
次に1週間をどう振り分けるか。
ポイントになるのが
1週間に1日程度、調整日&リフレッシュデーを設けること。
夏バテ気味であまり勉強がはかどらなかった、
家の都合で勉強ができなかったなどという日もあるはず。
毎日勉強しなくては!と焦る気持ちはわかりますが、
1日の空白もなく予定を詰め込んでしまうと、
不測の事態で勉強が進まなかったことがストレスになり、
過度のプレッシャーを感じてしまうことにもなりかねません。
調整日があることで心にゆとりができ、勉強にも集中しやすくなります。
もし予定通りに進んで1日分時間が空いた場合は、その日を
漫画で歴史や古典を学ぶ、
動画サイトで英語を勉強する、
など、いつもとは違うスタイルで学ぶ時間にあててもよいでしょう。
そもそも調整日が設けられないほどの学習計画だとしたら、
結果的にそれは詰め込みすぎかもしれません。
そんなときは学校や塾の先生の手を借り、
相談しながら自分に合った課題とペースを見つけていきましょう。
無理なく実行できるけれど、ペースはゆるめすぎない。
長期間走り続けなければいけない場合の時間配分に、
この調整日&リフレッシュデーはきっと役に立ってくれるはずです。
そして学習に使う参考書や問題集は、計画をたてたあとで購入を。
具体的な目標が決まる前に、「これがよさそう!」とあれこれ購入しても、
やりきれない数のテキストを前に、かえって落ち込んでしまうかもしれません。
数は多くなくても、目的に合った内容のもので学習を繰り返して理解を深めた方が
きっと知識も身につくはずです。
だからこそ夏休みに入る前の今、まずは学習計画を立てることが大切なのです。
勉強の内容については個々で異なると思いますが、
目標から逆算して時間をどう使うかといった計画の立て方は、
大人になってからも役立つ考え方です。
子ども自身が考えて決めたことを実行し、継続していけるよう、
親も体調管理などのサポートをしつつ、
力を合わせて夏の受験期を悔いのないように乗り切っていきましょう。
プロフィール
文/野々瀬広美
編集・ライター。生活実用の出版社3社での会社員生活ののち、フリーランスに。暮らしまわり・ハンドメイドのジャンルを中心に取材・編集・執筆などを手がける。編み物とサッカー観戦が好き。図書館司書の資格を持つ。