【第十六回】入試過去問題集を購入するタイミング ~ 公立中高一貫校編

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【第十六回】

入試過去問題集を購入するタイミング ~ 公立中高一貫校編

公立中高一貫校の受験を考える場合、難関私立中学校のような知識を要する問題は出題されません。「適性検査」は科目の垣根のない総合的な問題です。学校教科書に出てこないような知識があるのかを問われることはありません。むしろ会話文や説明文をよく読むことで、考えるカギとなる情報を整理することが重要になります。ですから、その分「適性検査」という形式に対応できるようにならなければいけません。また、作文や資料分析といわれるグラフの読み取りやそこからの情報をもとに考える問題などは、私立中学ではあまり出されないため、慣れておくことが必要です。ただし、焦って実際に出題された過去問題を演習しようと思っても、小学校の全範囲が終わらなければ、解答を出すことはできませんし、問題の形式上、私立中学の出題ほどどのような知識を身につけておくべきかが、はっきりとはわかりにくいかもしれません。

ということで、私としてお勧めする「過去問題集」(過去問集)購入時期は、「基礎・基本が確立したタイミング」ということにしておきます。

でも、形式に慣れることが必要なのでは?……となりますよね。実は公立中高一貫校の多くが学校のHPやその県の教育委員会・地方新聞などで問題を発表しているのです。ですから、形式については「ふーん、こんな感じなんだね」と眺めておきましょう。でも、HPに掲載されるなら過去問集は買わなくても大丈夫では……と思ってしまうかもしれませんね。各HPで発表される問題には解答例があるだけで解説はないところが多いですし、解答例を掲載しない学校も少なくありません。ですから、過去問集が必要となりますし、実際に販売されているのですね。

9月末くらいまでに小学校の全範囲をひと通り完成させたら、次は分野ごとの問題集を使って演習です(東京学参発行のものなら『公立中高一貫校適性検査対策問題集シリーズ』の「数と図形編」「資料問題編」など)。11月あたりからは過去問集を使って演習を始めましょう。時間を計って解くことよりも、ゆっくりしっかり考えることに重きを置いてください。時間を計って問題を解くのは、自分が受検する年度の前年分だけ。掲載されている他の年度がひと通り終わってから、本番同様の時間設定で行います。また、模試を利用するのもよいでしょう。そこまでできれば、あとは『公立中高一貫校適性検査対策問題集シリーズ』の「総合編」を使って演習していくのがオススメです。

あ、大事なこと! 作文に関しては、学校の自由作文とは違い、課題文を読んだ上での文章作成となる小論文的な要素が含まれているので、過去問集に取り組む前に、『公立中高一貫校適性検査対策問題集』の「総合編」などを使って、作文の基礎を身につけておいてくださいね。

text by吉原 功/Kou Yoshihara
プロフィール:中学、高校入試の受験指導に長く携わり、これまでに数多くの受験生を志望校へと導いている。公立中高一貫校入試の指導経験も豊富である。現在は都内において、自身の教室での指導を行っている。