【第十五回】入試過去問題集を購入するタイミング ~ 国私立中学校受験編

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【第十五回】

入試過去問題集を購入するタイミング ~ 国私立中学校受験編

今年度の連載コラムのテーマは入試過去問題集購入のタイミング。少し早いですが、これからの2回にわたっては、来年度以降の国私立中学受験・公立中高一貫校受検を考えている方に向けてのアドバイスを書きたいと思います。

今回は難関国立・私立受験を第一志望に考えている方を主な対象としたいと思います。

「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という故事を聞いたことがありますか? これは「相手の情報を知って自分の力量を知っていれば、戦いに負けることはない」という意味です。受験というのも同じで、「相手」つまり「志望校」の情報は非常に重要なものです。この情報に基づいて戦略を立てることが大切なのです。もちろん塾に通って受験される人が多いでしょうから、各塾の豊富な情報量と経験のある先生たち、コースのカリキュラムにお任せすれば、自動的に道筋を立ててもらえるでしょう。戦略はプロに任せて、決定された作戦を遂行するというスタイルも、合格のための最短コースの1つといえます。個別指導や家庭教師の先生とともに進んでいくスタイルなら、情報と自分のタイプなどをすり合わせながら勉強を進めていけますね。また、自分で戦略を立てて志望校へ挑むことというのも、なかなか大変ですが将来のためには良い経験となります。

もちろん「相手」の情報だけでは戦いに挑めません。「己」つまり「みなさん」の実力も大切です。「己を知る」とは、今の自分の力を知った上で、必要な準備をするということ。基礎・基本を理解し、演習を重ねて自分の実力をつけることなしには合格はできません。しかし、相手に勝つレベルまで実力をつけるには「何が必要か」「どこまで必要か」という情報があるからこそ、「何をするべきか」が決められるのです。

○志望校が決まっている場合
その意味では、「この学校に合格したい!」という志望校がすでに決まっている人は強みがあるといえますね。ですから、難関校で志望校が決まっている方は、販売開始が購入時期です。難しい学校ほど発売時期が早いのは、それだけ情報を早く知ることができるように……ということなのです。早くから情報を得ることができたからといって、焦って問題を解く必要はありません。あくまでも傾向やレベルをみるための情報収集。自分が対応できるだけの力がついてから過去問演習を始めてください。

○まだ志望校が決まっていない場合
私立中学校はたくさんありますし、受験勉強を始める時期も違います。また、中には公立中高一貫校との併願を考えている方や、志望校は決まっていないけれど受験をしようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。それらの人は焦る必要はありません。基礎・基本の確立と反復演習で、志望校が決まったときには対応できる「地の力」をつけておきましょう。基本の理解ができたら、少し難しい問題集を使って演習→入試過去問題集を購入、の順番で大丈夫です。(基礎が確立した人には『偏差値別類似問題徹底研究100 』を使っての演習がお勧めです。)

text by吉原 功/Kou Yoshihara
プロフィール:中学、高校入試の受験指導に長く携わり、これまでに数多くの受験生を志望校へと導いている。公立中高一貫校入試の指導経験も豊富である。現在は都内において、自身の教室での指導を行っている。