【第十回】これが合格への近道 入試過去問題集利用法 ~ 公立中高一貫校編

 受験の窓~受験のお役立ち情報をお届けします~

【第十回】

これが合格への近道 入試過去問題集利用法 ~ 公立中高一貫校編

前回のコラムでは「国立・私立中学校」の入試過去問題集(過去問集)の使い方について書きましたが、今回は「公立中高一貫校」についてです。
公立中高一貫校では「適性検査」という形式で行われており、私立中学校のように科目が分かれているわけではありません。また、出題される設問数なども年度によって異なります。加えて、開校されたのが比較的最近のところも多く(増え始めてからまだ10年程度!)、「伝統」と呼ぶほど出題が形式化されてはいません。ですから過去問集の使い方も私立とは少し違います。

まずは問題よりも先に最新の「出題の基本方針」などに目を通してください。(学校および各都道府県や市町村の教育委員会のHPで確認できます。)そこで、今までのものと比較して、変更が無いかを確認しましょう。また、都道府県内に新しく公立中高一貫校ができて共通問題になったり、校長先生や担当(主幹)の先生が変わることなどによって多少問題構成や傾向が変わったりすることがありますので(短いスパンでの定期的な先生の異動があるというのが私立との一番の違い!)、各学校の説明会やHPなども要チェックです。

そこまでやった上で「過去問集」の出番です。大問の構成の把握から始めてみましょう。公立中高一貫校の場合、小問の数は年度によって変わることもありますが、告知なしに大問の数が変わることはあまり見たことがありません。ですから、まずは前年度の問題を使って、「大問数」、「問題配置」、「小問の設問数」といった形式を調べます。
次にそれぞれの大問を区切って解いてみて、「テーマ」、「設問で問われること」、「要求される(計算などの)レベル」、記述問題であれば「答えるべき文章量」を感じ取ってください。このときタイムプレッシャーをかける必要はありません。焦る必要はないので、ひと通りその大問を解くのにどれくらいの時間がかかったのかを知るようにします。
そして、それ以前の年度の問題も同様の手順で分析しましょう。複数年度分の問題を解いていけば、その学校の求める力はわかると思います。この問題分析がしっかりできることで、今後のみなさんがするべき勉強、合格するために必要なこと、身につけなければならないことが具体的に導かれるはずです。もちろん、過去問集の巻頭には、出版社による分析もあるので、参考にしてください。とはいえ、受検生のみなさんはそれぞれ得意不得意もありますので、「自分に合った対策」をとることが合格への一番の近道だと思います。

自分が受検する学校の問題が把握できれば、あとは類似の問題が出題されている学校や都道府県を探して、適性検査問題の演習を行いましょう。もちろん、いろんな学校の問題を調べるのは時間も手間もかかりますから、分野ごとに章立てしてある問題集(※東京学参発行のものなら『公立中高一貫校適性検査対策問題集 総合編』)の中から問題を選んで演習をしていく、時間に余裕があるなら分野別の対策問題集にじっくり取り組むのもよいでしょう。(東京学参発行のものなら『資料問題編』『作文編』『数と図形編』などがあります。)ただし、解答だけではなくしっかりと解説があるものを選ぶことがポイントです。自分が解いた方法がきちんとできているのか、よりよい方法・考え方はないのかを知ることが大切です。「なんとなくできた」ではなく、しっかり筋道が立てられること。それこそが本当の力につながります。

そして、本番同様の「実戦的演習」として、自分が立てた時間配分を模擬試験で試してみましょう。「問題配置」がわかれば、試験本番の時間の使い方、時間配分も作戦立てができるはずです。

text by吉原 功/Kou Yoshihara
プロフィール:中学、高校入試の受験指導に長く携わり、これまでに数多くの受験生を志望校へと導いている。公立中高一貫校入試の指導経験も豊富である。現在は都内において、自身の教室での指導を行っている。